予備校の役割とは③

みなさん、こんにちは! 東進衛星予備校岐阜金宝町校校長の高橋です。

 今回のブログのテーマは「予備校の役割とは」という内容にしました。4回シリーズでお送りします。その第3回目です。

 予備校や塾に通っている学生に「どうして予備校に通うの?」と尋ねたら、ほとんどの人が「成績を上げたいから」「志望校に合格したいから」と答えるでしょう。子どもを予備校に通わせている保護者の方に尋ねても、たぶん同じ答えが返ってくるのではないでしょうか。確かに予備校や塾の宣伝には「学力UP!」とか「〇〇大学合格者100名!」という文字が躍っていますよね。この予備校に通えば、自分も成績をアップさせ、憧れの大学に合格できるのではないかと思うことでしょう。

 高校生の皆さん、ここで少し立ち止まって考えてみましょう。予備校に通わないと、そもそも成績を上げることはできないのでしょうか? 難関大学に合格するためには、予備校へ通う必要があるのでしょうか?

 予備校の校長をしている私が言うのも変ですが、必ずしも予備校に通う必要はないかもしれません。世の中には、小中高と一度も塾や予備校に通わず、最上位大学や医学部医学科などに合格している人はいますよね。そんな人は「天才」だからと簡単に結論を出さず、なぜ学力を上げることができ、難関大学に合格できたのかを考えてみてください。

私の回答はこうです。

①目標や夢が明確だった

②志望校合格までのロードマップを描くことができた

③切磋琢磨できるライバルがいた

④「勉強」ではなく【学習】だった

③「ライバル」という単語の意味は、国によって若干の違いがあるようです。例えばアメリカでは『常に対立しあっている関係』を指すそうです。では日本ではどうでしょう? 『ライバル=好敵手』と訳されることも多いですよね。今回はこの好敵手というイメージで話を展開します。

スポーツにおいても、多種多様な競技一般、ゲームにだってライバルの存在が「自身の成長の大きな糧」になったという事例は沢山あります。しかし、科学的なエビデンスを明確に示すことができるでしょうか。極端に言えば少し根性論や精神論に依存する部分が多いような気もします。根性論や精神論を否定するつもりはありませんが、これらは数値化することが難しいですよね。実益とかコストパフォーマンスを重要視する世の中になってきている今、ライバルの存在というものを最優先に考える人は少ないかも知れません。しかし私は断言します。【切磋琢磨できるライバルがいる】生徒は、かなりの高確率で第一志望大学に合格することができます。

分かりやすい例で言えば、同じ大学の同じ学部を目指す場合。同じ目標に向かって共に歩んでいくわけですから、一人ひとりがゲットした有益な情報をライバル同士で共有することにより、情報量は倍々ゲームで増えていきます。有利な情報を沢山もっているなら、戦いに勝ちやすくなると思いませんか。「受験は情報戦である」という言葉も存在するくらいです。ここでの注意点は、「あいつだけには負けたくない!」「自分が合格するために、他人を蹴落としてやろう」というネガティブなマインドは逆効果であるという点です。『一緒に合格を勝ち取ろう!』という一体感を常に意識することが出来れば、お互いを高め合うことができますよ。

お互いに支え合うこともライバルの大きな存在意義です。人間は弱いものです。時には勉強をする気が起きない瞬間や、集中できないこともあるでしょう。そんな時に「頑張ろうぜ!」と励ましてくれる相手がいれば、気持ちをリセットすることが出来るかもしれません。逆に相手がくじけそうな時に励ましてあげる。

アフリカのことわざに、【早く行きたければ、ひとりで行け。 遠くまで行きたければ、みんなで行け。】というものがあります。受験勉強は短距離走ではありません。長距離を好タイムでゴールするために、ライバルは絶対に必要なのです。

東進では学年ごとのホームルームや、グループミーティングという場があります。大学入試に向けて真剣に努力しているみんなと競い合ったり励まし合ったり刺激を受けたり。東進には【君のライバル】がきっといます!あなたの大きな支えになると思いますよ!これが私の考える予備校の役割そのです。

次回は最後の④について書こうと思います。お楽しみに。

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